FREITAG誕生30周年
オリジナルコピーのコピー
FREITAG誕生30周年
オリジナルコピーのコピー
1993年の秋にチューリッヒのシェアハウスで二人の兄弟が始めたアイディアは、一つの企業に発展し、リサイクルされたバッグはヨーロッパのみならずアジアのストリートにまで広がっています。私たちは現在も、使い古された材料を可能な限り長く循環させ続けるという原則に基づいて活動しており、将来的にはさらにそのサイクルを閉じることも目指しています。創業30周年に際し、私たちは初心に戻り、FREITAGバッグをオリジナルと知らしめたコピー商品をオマージュとして、新たなコピー商品を作ることにしました。
私たちのバッグは30年に渡り、デザインと機能性だけでなく、資源の節約と耐久性も重視してきました。2003年にニューヨーク近代美術館(MoMA)のデザインコレクションに追加されたメッセンジャーバッグ第1号、F13 TOP CATから派生して、たくさんのバッグやアクセサリーが誕生しました。
今日一部のモデルでは、使い古されたトラックタープに、リサイクルPETボトルから作られた生地やエアバッグのB級品、ユーズドスキーブーツから作られた循環可能なスマートフォンケースを組み合わせたりしています。企業理念である、WE THINK AND ACT IN CYCLES(循環を考え、行動する)に常に忠実に。
ブランド創設から3年目に時間を戻してみましょう。1997年、マーカス・フライターグはスイスで最も大きなスーパーマーケットチェーン店の一店舗にいました。そこで、バナナとラスクの間にとても見覚えのあるバッグを見つけたのです。それは、ペラペラの新しいプラスチックで大量生産された«Donnerstag(木曜日)»という名前のFREITAGバッグのコピーでした。
これは、FREITAGバッグの理念がコピーされたバッグではなかったのです。というのも、ユニークでもなくリサイクルされてもおらず、多分そんなに長持ちもしないものだったのですから。最大の違いは、その曜日(ドイツ語でDonnerstagは、FREITAG(金曜日)の一日前の木曜日を指す)ではなく、素材の選択や生産方法、そして製品の背後にある企業の姿勢でした。
スーパーマーケットのコピー商品は、当時チューリッヒ工業地区のマーグエリア内にある、60㎡のスタジオに居を構え生産していた私たちのような、小規模なバッグ製造業者に波紋を広げ、頭痛の種となりました。«Donnerstagバッグは、FREITAGの終焉を意味するのだろうか?»この疑念から、フライターグ兄弟と当時初の正社員であった従業員達は、眠れぬ夜を過ごすこととなりました。
しかし誰もが安堵したのは、FREITAGを葬り去るような大裁判やDonnerstagバッグの大量生産に発展することはなかった、ということです。F-anの皆さんや友人たちから寄せられた同情の波がメディアにも取り上げられたため、この小売店はそのコピー商品の販売を中止し、バッグに二度と曜日の名前を付けないと約束しました。
コピーの文化は、音楽、芸術、文学だけでなく、デザインやファッションにもどこにでも存在しています。そのユニークな製品とさらに広がりつつある認知度で、私たちは模倣者を魅了し続けています。FREITAGのトレードマークである黒字に白のFREITAGロゴを、自分たちの製品に縫いつけるだけの模倣者もいます。一方、ネーミングにおいては想像力に限りがありません。«FERTILE(肥沃な)»、«WOCHENENDE(週末)»とか«FERIENTAG(休日)»といったコピー名が数多く存在します。
幸いなことに、模倣者はその形にインスパイアされるだけでなく、私たちの姿勢にもインスパイアされ、材料の再利用や環境に優しい製造プロセスなどまで熱心に取り組んでいる場合もあります。
創業当初の当社の歴史の転換期に敬意を表し、当時のコピー商品をF13-D COPY CATとして数量限定で生産し。
通常FREITAGのロゴが設置されるところに、なんとDonnerstagラベルが付けられます。こうして約30年経った今、コピー商品はオリジナルとなるのです。またその利益の99%は社会的取り組みのため、スイスの小売店に寄付致します。もちろん今回のバッグは、通常のFREITAGオリジナル商品と同じように、リサイクルされたトラックタープからできています。
それだけではありません。9月19日から30日まで、チューリッヒのFREITAGFlagship Storeがスーパーマーケットの店舗に変身します。
野菜の陳列ケース、完璧に機能するベルトコンベアを備えたスーパーマーケットのレジや、排ガス対策のために電気に接続されていない冷蔵棚といった、様々なセカンドハンドプラットホームから集められたアイテムによって、Donnerstag(木曜日)ウィークの間、FREITAG旗艦店は、ほぼ本物のスーパーマーケットに変身します。
2020年よりFREITAGは異なる業界パートナーと協力して、FREITAGバッグとして長く使用された後、さらにゴミにならず再度サイクルに戻れるような、循環可能なトラックタープの開発にも取り組んでいます。技術的に素材のサイクルを閉じることを目的とした初のプロトタイプは、すでにテスト走行に出ています。
2023年夏、私たちは新しいサイクルをスタートさせ、トラックタープを使わない初のサーキュラー型バックパックの生産を開始しました。私たちの最新のリサイクル可能な開発品はMono[PA6]と呼ばれ、ポリアミド6のみでできています。
使い古されたスキーブーツは、リサイクル可能なiPhone®ケース CIRC-CASE として生まれ変わり、携帯ケースとトラックタープからできた独自のカードホルダーであるF380 JUSTINカードホルダーと組み合わされて、超個性的なCIRC-CASEシステムを作り上げました。その過程で、私たちはスイスの様々なパートナーと協力しています。