FREITAGマニフェスト
指針
このマニフェストは、2015年10月にローザンヌにあるMUDAC(現代デザイン&応用美術博物館)で行われた展示、«FREITAG ad Absurdum»をきっかけに生まれたものです。Freitag兄弟は、双子のアーティストであるRiklin兄弟と協同でFREITAGの背後にある哲学を展覧会で展開することとしました。FREITAGのバリューチェーンはばかげていることを展示することで、その姿勢を可視化させました。
FREITAGマニフェストは私たちの時代において、消費は高い意識を持って適正に行うべきという思いから生まれました。今日私たちはこれを指針として、考え行動したり、コラボレーションや製品の開発、製造、流通、梱包、販売などを行っています。
ラディカルな7.5項目のマニフェストをたとえ完璧に達成できないとしても、あと少しというところまではあきらめません。
#1 私たちは閉じられたサイクルを保ちます
私たちも資源を使います。ただし、それらがサステナブルな方法で製造されたり、再生や生分解可能なリソース、もしくは閉じられたサイクルで管理されている限り、資源の枯渇はありません。私たちは循環を意識し、それに応じて消費を調整していきます。
F-ABRICと呼ばれる、堆肥化可能なワークウェアで私たちは時代を先取りしました。また、スマートフォンケースはすでに引き取りシステムによって循環型となり、サイクルを閉じています。循環型で、ずっとリサイクルさせることができるMono[PA6] バックパックは、当社の最新のマイルストーンです。その他にも、リサイクル可能なトラックタープにも全力で取り組んでいます。
#3 私たちは修理します
私たちの製品は手入れしやすく、美しく経年変化する素材です。長年使い続けるほど、その魅力は増すのです。
どこで、どうやって、どのように修理するかは、こちらの修理概要をご覧ください。
#4 私たちは互換性と適応性にこだわります
モジュール設計と、取り外しができる優れたデザインにより、製品はサステナブルかつ拡張可能なものへと変わり、ライフサイクルの延長を実現します。
この良い例としては、店舗におけるバッグの陳列法と保管システムです。また、すべてのFREITAGショップまたはオンラインで無料で入手できるスペアパーツ、完全に互換性のある Atomaリングシステムを備えたアジェンダやノートブック、そしてF385CIRC-CASEとF380JUSTINで構成されるCIRC-CASEシステムも挙げられます。
#5 私たちは所有することではなく、アクセスを望みます
Access over ownership(所有よりアクセス)。めったに使わないモノなら、なおさら所有することより使うことが大切だと、私たちは考えます。
というわけで私たちは、これまで旅行バッグの貸し出しを何度も試してきました。その試みが、いよいよ本格的なサービスとして動き出します。続報をお楽しみに。すでに実現していることもあります。京都店、チューリッヒ・グリュンガッセ店、そしてチューリッヒのフラッグシップストアでは、実用的なカーゴバイクを実際にレンタルできます。
#6 私たちは、素材にではなく、結果に対価を払います
製品ではなくサービスにお金を払う姿勢こそが、今後、サステナブルなサービスを提供する企業にとってチャンスとなります。
私達はこの分野でもより良い持続可能性を目指し、取り組んでいます。
#7私たちは時間を稼ぐために、急ぐことをしません
時間をかけなければ、一生何も生まれません。FREITAGの製品が時代を超越し、熟考され、市場に投入されるまでに長い時間をかけて熟成されているのはこのためです。その最新の例として、FREITAG初の循環型で完全にリサイクル可能なバックパックの開発が挙げられます。この製品は、最初のスケッチから発売まで丸4年を要しました。
FREITAGにおける時間
F-ABRICは、ヨーロッパで栽培、製造された100%堆肥化可能なワークウェアラインで、これはまさにスローファッションと呼べるでしょう。同様に、トラックタープからサイクリスト向けのバッグを生産するプロセスも、一種のスローダウンと言えます。そして最後に、当社の多くのモデルは時間的プレッシャーや短命なトレンドとは無縁に開発されたため、長年にわたりほとんど変わることなく当社のラインナップに存在し続けています。
これは、使用済みトラックタープから作られたFREITAGの定番製品にも当てはまります。これらの製品は確かに使用済み素材に第二の長い命を与えますが、永久に循環させ続けることはできません。つまり、最後はゴミになるだけですから。
#8 …
マニフェストとはスナップショットのような、一瞬を表すものにすぎず、常に充実させ、さらに発展させなければならないことを、私たちは認識しています。
PS: 幸せもサークルの中を行き来します
幸せも同じように循環しています。受け継がれることで初めて増えていくのです。
バッグを超えて、私たちはあなたと私たち自身を、長きにわたって幸せにするために今後も一層努力していきます。私たちは教育や、ハピネスヒーロー達とそれを試してきました。そこからどうなるかはお楽しみです。
FREITAG AD ABSURDUM
Ad Absurdumツアーを行うことになったきっかけは、ローザンヌにあるMUDAC(現代デザイン&応用美術博物館)の白紙委任状でした。このプロジェクトで、Freitag兄弟と双子のRiklin兄弟は、FREITAGバッグや「Sonderaufgaben(ゾンダーアウフガーベン)」(Riklin兄弟が行っているアートプロジェクト)の裏にある哲学を視覚化するため、FREITAGのバッグ製造プロセスをAD ABSURDUMで展示しました。彼らは古いFREITAGバッグを集め、それを使って再びトラックの幌を作り、さらに再度バッグを作りました。これは、まさに素材の再再再利用です。
彼らは、このようにFREITAGが行う価値創出のサイクルを面白おかしく再現することで、21世紀における私たち消費者のあるべき姿を提案しています。つまり、これは彼らが真面目に打ち出したマニフェストなのです。その結果が今日のFREITAGのマニフェストになりました。そこには、循環経済への転換を目指し、長く大事に使えるよう製品の品質を向上させたいという思い、さらにはハイペースで進んでいく現代社会に対して疑問を抱くべきだという思いが込められています。
ランドリールームツアー 2015
2015年9月18日~21日まで、Freitag兄弟と双子のRiklin兄弟がスイス国内を巡り、FREITAGの哲学を表現した«FREITAG Ad Absurdum»という展覧会を行いました。彼らは「日常生活のキュレーター」のランドリールームで展示をしました。
そして友人や隣人のほか、いろんなゲストが集うオープニングパーティーは、キュレーターたちが«日常生活»を営むランドリールームで行われました。ここは、普段Simone、Heinz、Lucが洗濯物を干す場所です。この3人は、Freitag兄弟とRiklin兄弟のために展覧会のキューレーターを努めました。